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Ocean Plastics 共創型デザインスプリント - 競争を超えた共創へ

Feb 16, 2023

世界が直面している最も複雑な問題は、一つの企業だけで解決することはできません。どうすればさまざまなステークホルダーと力を合わせて課題に取り組む筋肉をつけ、より早く解決に至ることができるでしょうか?私たちはデザイナーとして、より公正で持続可能な社会・経済システムや、それを実現するまでのプロセスを描くために、デザインを行う過程において、ステークホルダーたちを集め、ファシリテートし、生まれたアイデアを形にする重要な役割を担っていると考えています。

2022年10月、IDEOはこのアイデアに試験的に取り組みました。IDEOが提供する「Circular Ecosystemワークショップ」をベースに、広告会社の博報堂と、地域活動団体や地方自治体、企業などと連携して日本各地の海浜・河川・緑地などの清掃を実施に取り組みながら、海洋プラスチックを再利用する仕組みづくりを目指すGreen and Blue Challengeとともに、海洋プラスチックの問題に集団で取り組む2日間のワークショップを開催しました。

ワークショップの様子

どのようにすれば、企業は有意義にプラスチックを再利用したり、プラスチックへの依存を減らす方法をデザインできるだろうか?そして、どのようにすれば、消費者たちを意味ある形でその解決策に巻き込むことができるか?私たちは、モビリティ、家電、コンシューマーパッケージング、旅行、食品の5つの業界から5社のクライアントを招きました。それぞれのクライアントは、サステナビリティの専門家やIDEOのデザイナーとともにチームを組み、これらの問いに取り組みました。

まず、それぞれのクライアントはIDEOのデザイナーと一緒に、最初のデザイン・チャレンジを明確にしました。たとえば、「どのようにすれば、製品に含まれるプラスチックを減らし、それをブランド価値として伝えることができるか?」(家電製品)、「どのようにすれば、顧客が再利用のためにパッケージを返品することをより簡単にできるだろうか?」(消費者包装)、「どのようにすれば、店舗で消費者の関心を惹き、啓蒙する方法で海洋プラスチックを取り入れることができるだろうか?」(ファストフード)などの問いが立ちました。

その後、各チームはわずか2日間で、企業やユーザーの課題を理解することから、ワークショップの中で考えたアイデアを体験できるようなプロトタイプの作成、最終プレゼンテーションまで行いました。1日目はインスピレーションとなるような世界中のさまざまな事例から学び、それらを基にアイデアのブレインストーミングを実施。2日目はアイデアを体験できるようなプロトタイプの作成と、ユーザーや専門家、また他のチームの参加者からフィードバックをもらい、プロトタイプを改良する時間に費やされました。

実際に生まれたアイデアのプロトタイプの一例

プロトタイプを見せながらアイデアをプレゼンテーション

参加者全員が集中力とスピードを要求されましたが、チーム内、さらにはチーム間で質の高いアイデアの交換が行われ、会場は終始賑やかな雰囲気でした。 企業内でサステナビリティに取り組む方々は、孤独な戦いを強いられることが多いです。しかし、同じように前向きなビジョンを共有する人たちが集まることで、参加者の前向きな姿勢が相乗効果でさらに高まっていくのをました。 

2日目が終わるころには、各チームとも自分たちの成果を誇りに思うとともに、この短期間でここまで到達できたことに驚きを隠せない様子でした。各チームが未来のプロトタイプを共有する中で、各業界がサステナブルなビジョンを実現すれば、未来の消費者体験はどれほど強力なものになるのか、参加者全員が体感することができました。

以下は、参加されたクライアントや専門家の声です。※一部編集しています。

  • 「楽しい」の一言です。多くの異業種との共創が新鮮でした。 また、サステナビリティは「楽しくないと」が持論ですが、今回はまさに全員がそれを体感できたと感じました。

  • 「競争ではなく共創」という言葉が残りました。このような取り組みを進めるためにはコラボレーションが必要なんだと感じました。

  • やれることがたくさんあるという気付き、自分たちが実行することによる影響力への気付き、行動しなければ何も始まらないという気付き、仲間が沢山いるという気付きを感じられた。

  • 自社内だけでなく、複数社でチームを組んでアイディアを出していくこと、また、出たアイディアに対して他チームの意見を聞くことで、どんどん中身が洗練さき、社内だけでは出せない案に昇華できたと感じています。

  • IDEOさんの導き方(チームでデザインチャレンジ~発表・フィードバックまでの進行)から学ぶことが多くありました。

  • スピード感が素晴らしかった!アイデアの可視化、まとめ方。想像を実現する、プロトタイプを作成し発表までのスピード感。すぐにやってみること。同じ目的のためチームで取り組むことを学びました。


サーキュラー・エコノミーは、私たちの世代にとって最大のチャレンジです。IDEOは、この大きな課題においてデザインと創造性が果たす役割に、特に期待しています。循環型モデルをデザインしていくプロジェクトや、共創型ワークショップについてのお問い合わせは、tokyo@ideo.comまでご連絡ください。

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